今回は、読み手の心に届く文章術についてお話します。
あなたは「この人の文章、なんか引き込まれるな」と感じた経験はありませんか?
売れている起業家の文章は、読んでいて心に届きます。
一方で、売れていない起業家の文章は、読んでも心には届きません。
この記事では、売れている起業家が必ずもっている『心に届く文章術』について、次の3つのテーマでお話します。
- 心に届く文章とは?『説明』と『描写』の違い
- 『描写』のメリット・デメリット
- 『描写』を取り入れて売上アップした事例
ウェブでの情報発信を成果につなげるためにも、この『心に届く文章』について理解を深めておいてください。
心に届く文章とは?
『心に届く文章』の大きな特長は、『情景がイメージできる』ということです。
情景をイメージさせるために『描写』というテクニックが用いられています。
物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉・絵画・音楽などによって写しあらわすこと。「情景を描写する」「心理描写」
出典:コトバンク
つまり、事実だけではなく、付随する「人の動き、様子、感情なども含めて伝える」という意味です。
『説明』と『描写』の違い
『描写』とは対照的に、事実だけを伝える文章のことを『説明』といいます。
説明とは
説明とは「簡潔に、論理的に、客観的に」伝える方法のことです。
誰もがわかるように主観を排除して伝えるので、ビジネスシーンでよく用いられます。
次のような特長があります。
- 理解させる
- おおむね短文
- 論理的で客観的
- 数字やデータが重要
- 頭でわかる
説明は、たくさんの出来事の要点だけを抽出して伝えるもので、動画でいえばダイジェストにあたります。
描写とは?
描写とは、その時の「できごと、感情の動き、人の動き」などを映像を見せるかのように事細かく伝える方法のことです。
次のような特長があります。
- イメージさせる
- おおおむえ長文
- 感情的で主観的
- 数字やデータは重要でない
- 心が動く
描写は、たった数分、数秒の印象的な瞬間を事細かく表現するので、文章は長くなりがちです。
動画でいえばスローモーションにあたります。
『説明』と『描写』の例
次の2つの表現を比べてみましょう。
どちらもフリーランスのデザイナーが主人公で“お客さんから業者呼ばわりされた話”を伝えています。
『説明』の文章例
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お客さんから業者呼ばわりされて、僕は嫌な気持ちになった。
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これだけです。端的ですね。
『描写』の文章例
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今日は日曜日、待ちに待った娘の運動会。
妻は弁当作り、僕は荷物をしている。
ふとスマホのメールボックスを見ると、お客さんから修正依頼が入っていた。
『明日、月曜日に実施させていただきます』と返事をしたが、、まもなくお客さんから電話がかかってきた。
「明日するってどういうつもり!?業者なんだから、すぐやってよ!・・・」
「今日はですね…」と言いかけたが、あまりの勢いに圧倒され、『はい』と答えてしまった。
(今日も仕事か・・・)
妻に事情を伝えたが、
「また仕事?いい加減にしてよ!」
と呆れられた。
(申し訳ない・・・)
言葉にもできず、妻と娘を見送った。
業者と言われた悔しさ、父としての不甲斐なさ。
怒りを押し殺しながら、僕はパソコンの前に座りマウスを握った。
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このように、状況や人の動きを細かく伝えることで、端的に伝えるよりもイメージしやすくなります。
読み手に共感してもらうには“描写”が必要
読み手に共感してもらうには、説明だけでなく描写を取り入れることが必要になります。
例えば、ブログ・ホームページ自分の過去のできごとや経験を伝えるとき。
説明だけでは、読み手は頭では理解できますが、心には届きません。心に届かなければ、その先のお問い合わせ・申込みにも繋がりません。
感動(感じて動く)はあっても理動(理解して動く)はないのです。
描写のメリット・デメリット
「長い文章は読まれない」と言われているせいか、ブログやホームページで、端的な文章(=説明)だけで済ませているケースが多いです。
しかし、商品の良さについてどれだけ理解してもらえても、それだけでは購入にはつながりません。
なぜなら心が動かないからです。
描写のメリット
商品・サービスの説明、プロフィール、創業秘話、お客様とのエピソードなどのコンテンツに描写を取り入れることで、読み手に共感してもらい、心を動かすことができます。
読み手の心を動かせるようになると、
- あなたの人柄を信頼してもらえる
- 「あなたから買いたいです」と言われる
- 成約率が上がる
- 単価が高くても売れやすくなる
- 価格競争から抜け出せる
商品・サービスをほしいと感じ、あなたに親近感を感じている状態でやってくるため、成約率が自然と高くなり、客単価も上がります。
また、価値観の合うお客さんがやってくるので、気持ちにゆとりを持って仕事ができるようになります。
『描写』を取り入れるメリットは計り知れません。
描写のデメリット
一方で、描写は魔法のツールではなくデメリットもあります。
- 文章が長くなり、読まれにくくなる
- サイトの離脱率が上がる
- スマホだとさらに読みづらい
- 文章作成にコツがいる
- 法人向けにはあまり響かない
それでも、“読んでもらえる工夫”をすれば対処できます。
僕のプロフィール文にも取り入れていますが、
- 実績・受賞歴・権威性を出して、関心を引く
- ストーリーの前に、端的な説明を入れる
- 読みやすいフォントを使う
- 見出しを活用する
- 写真を入れる
- デザインを良くする
といった工夫ができます。
描写を取り入れて売上アップした事例
京都自然療法整体学院 様の事例
クライアントで、毎月ホームページから申込みがある『京都自然療法整体学院』様の事例です。
ホームページのリニューアルにあたって、代表者が整体学校をはじめたきっかけや想いを、ストーリーで伝えるようにしました。
この学院の魅力を洗い出してみると、、
マンツーマン、アットホーム、子連れOK、整体・自然療法・心理学・カウンセリング・占い・スピリチュアルなど総合的に学べる・・・
といった特長があり、「30代、子育て中の専業主婦」のニーズに合うことが分かってきました。
「Who/What/How:誰に、何を、どのように」よりも「Why:なぜ?」を重視
「なぜ整体学院を運営しているのか?」という“想い”が伝わることを重視しました。
商品が「お客さんに求められていて、他社よりも安い(または優れている)」なら売れるのか?というと、そうとは限りません。
なぜなら、商品の良さだけで売っていると、すぐに他社にマネされて抜かされるからです。
商品力だけでなく、想いの部分でも差別化を行いました。
ストーリーを伝えるプロフィール文
代表者の人柄・価値観が伝えるプロフィール文作成にも力を入れました。
文章は長いですが、冒頭に実績・活動内容を載せて興味を引いています。
見出し、行間、フォントにも工夫を凝らして読みやすくしています。
結果どうなったか?
本講座が30万円以上するものなのにも関わらず、毎月ホームページから体験申込みが入っていて、体験からの成約率も90%を超えています。
「ホームページ見て申込むつもりで来ました!」と来られるので、クロージングに労力はかかりません。
初級コースを受けた後、中級に進まれる方もおられ売上安定化に貢献しています。
【まとめ】心に届けることが集客数UP・売上UPの鍵
ビジネスでは『説明』も必要ですが、そこに『描写』を取り入れることで読み手の心を動かすことが可能です。
また説明だけしているライバルとの差別化にもなります。
その結果、お問合せが増えることに加えて、成約率アップや客単価アップにも影響します。
ブログ・ホームページだと顔こそ見えないですが、『“描写”を使った読み手の心に届く文章』で、集客・売上アップしませんか?
滋賀・京都 ホームページ制作ユーズアイ
売れるブログ・ホームページの専門家
木村太一