ホームページを作る際に、絶対に載せるコンテンツの1つが「会社について」のコンテンツです。
言い換えるなら「会社の自己紹介」です。
しかし、事業のことをたくさん伝えようとするあまり、訪問者から「自分の話ばっかりだな…」と感じられてしまっては逆効果ですよね。
ここでポイントになるのが「訪問者が興味をもってくれるように、会社について語る」ということです。
そのコツと、必要な6つのコンテンツについて解説します。
魅力を感じてもらえる「会社紹介」の書き方
「会社紹介」で必要なコンテンツは次の6点です。
- 3つの強み
- 代表挨拶
- 代表プロフィール
- 想い
- お客様への約束
- 創業ストーリー
では順に解説していきます。
①3つの強み
まずは、会社としての強みを、3つにまとめて伝えるようにしましょう。
人の記憶に強く残るのは「3つ」だからです。
「ウチは強みが1つしかないよ」という方や「4つ以上あるよ」という方もいるかも知れません。その場合でも次の解説を参考に、3つにまとめるようにしてみてください。
<強みが3つ未満の場合>
強みが3つ見つからない時に、できることは次の2つです。
- 視野を広げる
- 分解する
順に解説していきますと、、
①視野を広げる
どうしても3つ挙げられない・・・という場合は、商品・サービス以外に強みがないかどうか、視野を広げて分析してみましょう。
例えば、接客力、提案力、アフターサポート力、お店の雰囲気、立地、景色、紹介できる人・企業、誕生ストーリーといった部分です。
このように商品・サービス以外に視野を広げてみると、強みが3つ以上見つかることがほとんどです。
②分解する
「1つの強みを複数に分解する」、いわゆる「強みの分解」という手段も有効です。
例えば、ある電化製品があったとして、強みが本当に「耐久性の高さ」という1つだけだったとしましょう。このとき、「耐久性が高い」と1つにまとめてしまうと、訪問者にとっては「1つしか強みがないんだな…大した商品じゃなさそう…」と感じてしまい、問合せにつながりにくくなります。
そんなときは「耐久性が高いからこそ、お客様はどんなメリットを得ているだろう?」と考えてみましょう。
- 耐久性が高い→だから→「故障を気にしなくていい」
- 耐久性が高い→だから→「修理・買い替えの手間や費用がいらない」
- 耐久性が高い→だから→「コストパフォーマンスが高い」
- 耐久性が高い→だから→「子どもが使っても壊れにくい」
といように、1つの強みを分解することで「複数の強み」として魅せることもできます。
<強みが4つ以上ある場合>
一方で、強みが4つ以上ある場合は3つに絞るようにしましょう。
主な方法としては、次の3通りあります。
- グループ化
- 削る
- 3つに収めない
順に見ていきますと、、
①グループ化
グループ化とは、共通点を持つものをひとくくりにしてまとめるテクニックです。
例えば、強みとして
- 提案力が高い
- 耐久性が高い
- 扱いやすい
- デザインがオシャレ
- お客様ごとの担当者制
- アフターサポートが充実
の6つがあったとしましょう。
このとき、6つの強みを全部伝えてしまうと、訪問者にとって覚えるのが難しいので、お問合せにつながりにくくなります。
そんなとき「グループ化」をすることで、
- 提案力が高い
→提案力
- 耐久性が高い
- 扱いやすい
- デザインがオシャレ
→商品力
- お客様ごとの担当者制
- アフターサポートが充実
→アフターサポート
とまとめることができ、
- 提案力
- 商品力
- アフターサポート力
という「3つの強み」として魅せることができます。
②削る
どうしてもグループ化できない場合、もしくはグループ化しても3つに収まらない場合、、そんなときは重要度の低いものから思い切って削ってみるのもポイントです。
たくさん伝えようとして結局伝わらないよりは、伝えるポイントを減らしてでもしっかり伝わるほうが効果は高いですね。
③3つに収めない
どうしても強みを3つに収まらない場合、もしくはすべて伝えたほうが訴求力が高まる場合、「あえて3つに収めない」という手もあります。
「選ばれる5つの理由」「7つの特長」というように、3つよりも多いからダメというわけではありません。
とはいえ多くても7つまでにするようにしましょう。なお、偶数個だと訪問者の心に届きにくいので、奇数個(5個、または7個)にするようにしてください。
②代表挨拶
代表挨拶もぜひ掲載するようにしてください。
誰が、どんな想いで運営しているのかが見えないと、訪問者の不安を拭いきれないので、なかなかお問合せにはつながりません。サロン・お店・教室など、来店してもらう業態ならなおのことです。
代表挨拶を載せることでそこに「共感」が生まれることも、お問合せしやすくなる理由の1つです。
代表挨拶の書き方のポイント
<構成>
カンタンな自己紹介
↓
今やっていること
↓
この仕事を始めたきっかけ・社会的背景
↓
目指したい未来
↓
今やっていること
という順で構成するのがポイントです。
文字数が多いと読みづらいので、できる限りコンパクトに。
おおよそ200字〜長くても400字程度にとどめるのが理想です。
<写真について>
挨拶文とともに、代表者の写真も掲載するようにしましょう。
写真の“写りの良さ”は生命線なので、上手なプロカメラマンに撮影してもらうのがベストです。
写真を掲載する時は、写真とともに、肩書きと氏名(フルネーム)を記載するようにします。フルネームは手書きにすると、より信頼感がアップするのでオススメです。
個人事業主・小規模企業など、「代表者=サービス提供者」である場合は、名前の下に、実績・経歴・資格などを添えておくのもポイントです。
代表挨拶の事例
<出会いサロン Pure様の事例>
みなさん、これからの人生をどのように過ごしたいですか?
「結婚したら自由がなくなる」とか「今更、結婚しても…」と思いがちですが、
パートナーシップについての考え方次第で、自由を手に入れることもできます。
夫婦であってもしばられる必要はなく、それぞれの人生があるわけです。自分らしいパートナーとの過ごし方が選べれば、人生の楽しみが増えます。
とはいえ、一定の年齢になるとすでにパートナーがいると思われてしまい、積極的に行動しないと相手は見つかりにくいものです。待っているだけでは何も変わりません。
年収、職業、見た目などの条件でパートナーを選んでいては、本当に愛する人を見つけることはできません。
条件ではなく『一緒にいて楽しい人』や『離れていても会いたくなる人』を選ぶと、本当に大切な人になるのではないでしょうか。あなたらしいパートナーシップの実現を通して、人生を優雅に楽しんでいただけるよう応援いたします。
→https://sw-pure.jp/
③代表プロフィール
代表プロフィールは、代表者の実績・経歴を、より客観的な視点で端的に伝えるコンテンツです。
代表プロフィールの書き方のポイント
代表プロフィールの主な目的は、訪問者が「この人に語る資格があるんだな」と感じてもらうことです。そのためには、書き方には3つポイントがあります。
- 映える数字・実績を入れる
- 「だ・である調」で書く
- 「実績・きっかけ・今やっていること・独自性」の4点を含める
①映える数字・実績を入れる
プロフィールは代表挨拶に比べて「実績・経歴を端的に伝えるコンテンツですので、まずは実績として映える数字や経験を含めることが重要です。
国家資格名、◯人を集めた、◯◯に取材をされた、延べ◯人を見てきた、◯年継続してきた、◯%アップさせた、、、などなど、訪問者が「こんな実績をもつ人が言うんだから間違いなさそうだ」と感じてもらえるような数字を自分の経歴の中からピックアップしてみましょう。
※数字的に映える実績がどうしても見つからない場合、そのままではウェブ集客は難しいです。先に実績を作るか、モニターという体で集客するか、もしくはまったく別の切り口を見つける必要があります。このやり方は別の記事で取り上げます。
②「だ・である調」で書く
客観的な視点で伝えることがポイントなので、「です・ます調」ではなく「だ・である調」を用います。
「です・ます調」だと自分で語っている感が出るので、自慢話に聞こえてしまいます。「だ・である調」を用いることで「客観的にそのように評価されている感」が生まれ、いやらしくなく、説得力も高まります。
③実績・きっかけ・今やっていること・独自性を含める
端的に伝えるとはいえ、やはり「実績・きっかけ・今やっていること・独自性」の4点をすべて含むようにしましょう。
どれか1つでも欠けていると、訪問者にとってイマイチ共感できなかったり、他と似たりよったり見えたり、「お金を出してでも買いたい」とは思えなくなります。
プロフィールを書く際には、まず「実績」で目に留めてもらい、「きっかけ」と「今やっていること」のストーリーに共感してもらい、「独自性」で選んでもらう、この流れをイメージするようにしてくださいね。
代表プロフィールの事例
<出会いサロンPure様の事例>
京都市生まれ、京都市育ち
京都の行政で社会福祉士として16年勤務し、子育て・福祉の相談業務を経験。夫婦喧嘩が子どもに心理的悪影響を与えることを知り、子どもを守る考え方の1つとして「フランス流の生き方」があると知る。その後、恋愛・結婚アドバイザーとして結婚相談所に勤務し、延べ2,000人以上の相談者に数々のエールを送る。それらを経て独立開業。
美を追求するフランス流の生き方が100年時代に必要と考え、フランス流の“自由なパートナーシップ”をテーマにした出会いサロンPureを開設。独自のマッチングパーティーや個別紹介を通して、幅広い価値観での出会いを提供している。→https://sw-pure.jp/
<オーラルケア専門店 TeethAi 京都様の事例>
歯科衛生士歴27年、京都の歯科医院にて勤務。独自の視点から「よりよいサービス」を追求し、オリジナルメソッド「大塚式ポケットクリーニング」を開発。専用の器具でしか取れなかった“歯周ポケット内の汚れ”を歯ブラシ1本で取れることから、業界内外から高い評価を受ける。
そんな中、「歯とお口のお悩みは“ココロ”からも来ている」と気づき、カラダだけを診る“医療のあり方”に疑問を感じる。その後、オーラルケア&ホワイトニング専門サロンTeeth Ai 京都を独立開業。歯とお口のお悩みをカラダとココロの両面から解消し、素敵な第一印象をキープするお手伝いをしている。
→https://teeth-ai-kyoto.com/
従業員数の多い企業だと代表プロフィールを載せない(代表挨拶だけ載せる)場合もありますが、個人事業主・小規模企業にとっては集客のための必須コンテンツです。ぜひ掲載するようにしましょう。
④想い
想いとは、この事業をなぜやっているのか、事業を通して誰をどう笑顔にしたいのか、といった部分を「自身の経験・ストーリー」から伝えるコンテンツです。
「想い」の書き方のポイント
想いの書き方のポイントは、大きく次の2点です。
- 「現在→過去→未来→現在」の構成
- 「価値観」を伝える
順に解説していきますと、、
①「現在→過去→未来→現在」の構成
構成としては「今やっていること→この仕事を始めたきっかけ・エピソード→目指したい未来→今やっていること」というように、「現在→過去→未来→現在」の順で伝えるのがポイントです。
代表挨拶と同じような構成ですが、より代表者個人のきっかけやエピソードをもって伝えることで、訪問者により強く共感してもらうことができます。
②提供したい「価値観」を伝える
「なぜこの事業をしているのか?」「(事業を通して)社会にどんな価値を届けたいのか?」という代表者の経験から導き出した自身の価値観を伝えることもポイントです。
価値観は、見つけようと思ってすぐに見つかるものではありません。自分の経験、感じたこと、消化できたこと・できいないことなど、じっくりと向き合い内観して初めて見えてくるものでもあります。
ですから「価値観」を伝えられなければ集客できない、ということはありませんが、価値観を言語化できている方はぜひ「想い」のコンテンツに含めてみてください。「他ではなく、あなたから買いたい!」と感じてもらうことができます。
ちなみに僕が大切にしている価値観は「自由・希望・愛・本音」この4つです。「価値観」についてはまた別の記事で取り上げます。(鋭意制作中!)
想いの事例
<キッチンカー製作販売 株式会社ALAN様の事例>
もともと「自動車販売店」だった当店は、「中古車を仕入れて販売する」という業務内容でした。
しかし、時代の移り変わりとともに、「夢と楽しさが詰まったもの車」というよりは、「足としての車」が求められるようになり、「これまでと同じやり方で続けるのは難しい」と肌感覚で感じていました。
一度は自動車以外への展開も考えましたが、これまで続けてきた自動車事業には思い入れがありました。
「楽しさと面白さを兼ね備えた、夢のある自動車事業って何だろう?」とスタッフみなでアイデアを出し合った結果、「キッチンカー事業」を立ち上げることを決意いたしました。
車そのものが店舗であるキッチンカーにおいて、“注文住宅”や“店舗デザイン”の方向に舵を切るべく、女性スタッフで運営することにしました。
車=男性というイメージを払拭し、女性目線でコーディネート・プロデュースできる専門店を目指します。
(中略)
社長三浦と私はこの9年間、会社の存続危機などを何度も乗り越えたことで、強い信頼関係を築くことができました。
「当店と関わる人すべてを幸福にする」という信念のもと、お客様・スタッフの皆様とも同じように、強い信頼関係を築きたいと考えております。
お客様にとっても、当店のスタッフにとっても、楽しさ・面白さに溢れているキッチンカー。
当店でプロデュースしたキッチンカーを街でたくさん見かけること願い、日々、仕事にあたっております。→https://alanbox.net/aboutus/emotion/
<当社ホームページの事例>
ページ名は「代表プロフィール」となっていますが、中身は「想い」を伝えるコンテンツです。
自分のことをオープンにすることで「安心してご依頼いただきたい」ということもありますし、「個性を100%活かしてビジネスをすることで一番の差別化になる」という信念から、起こった出来事を赤裸々に書いています。
⑤お客様への約束
会社として「お客様への約束」のことです。「これだけは、どのお客様にも絶対に行う」というポリシーともいえます。
お客様への約束の書き方のポイント
ポイントとしては2点あります。
①数は多すぎなければOK
お客様への約束の数は、3つでも、5つでも、10箇条でも、極端に多すぎない限りOKです。
②当たり前のことも書く
業界的に当たり前だと思うようなことでも、あえて記載することで、信頼性が高まります。
例えば、「どんなお客様にも明るく接します」って当たり前のように思うかも知れませんが、実際に「明るく接します!」と書かれてあったほうが問合せしやすいですよね。お客様にぶっきらぼうに対応する店員さんも世の中いっぱいいますからね。
「当たり前のことを約束として書くなんて恥ずかしい」と思わず、明記するようにしましょう。
お客様への約束の事例
<家キズ補修業 マジックアートリペア遠藤様の事例>
約束1.キズ直しでお客様の嬉しい驚き、笑顔を作るお手伝いをします
約束2.お客様の求めているものを超えるような仕事をします
約束3.どんなお客様にも明るく、安心していただけるよう接します
→https://repair-reform.com/
<コーチング業 ファーストペンギン様の事例>
お話いただいた内容は絶対に口外しません。
誰よりも、あなたの未来を信じます。
いかなるときも、100%あなたの味方であり続けます。
自分を見失わず行動し続けられるよう、支援します。
安全安心で話しやすい場を提供いたします。
→https://firstpenguin-kyoto.com/profile/
この「お客様への約束」があることで、訪問者がお問合せに進むまでの心理的ハードルがぐんと下がります。
⑥創業ストーリー
創業ストーリーとは、「会社として、事業をスタートするに至った経緯」のことです。
先述の「想い」のコンテンツに近いですが、「想い」は代表者個人のストーリーから「想い」を伝えていたのに対し、「創業ストーリー」は会社として創業するに至ったストーリーから「想い」を伝えます。
個人事業主・小規模企業の方でしたら「想い」の中に創業ストーリーも入ることもあります。その場合、創業ストーリーとしてわざわざ別で載せなくてもOKです。
【まとめ】
さて本記事では、「会社について」魅力的に伝えるための6つのコンテンツについて解説しました。
- 3つの強み
- 代表挨拶
- 代表プロフィール
- 想い
- お客様への約束
- 創業ストーリー
どのコンテンツも、伝えていることは結局「自社は何者か」ということにほかなりません。
自社という存在について、「3つの強み」のように端的に伝えたり、「想い」のようにストーリーで伝えたり、また「お客様への約束」という形で伝えたり、カタチを変えて伝えることでより多くの方に届くものになります。
特に「3つの強み」のような端的な伝え方だけに終始しているホームページは多いです。しかしそれだけだと、訪問者にとっては「どこも同じようなことを言っている」と感じてしまい「あなたから買う理由」が薄くなることもあります。
なので自社のことを伝える際には端的な伝え方に加えて、「想い」のようなストーリーで伝えるコンテンツも用意して、訪問者の心をギュッと掴むようにしてください。